ベトナム映画初のインディペンデント映画『モン族の少女パオの物語』が上映！

アジア・シネマ・セレクションにてベトナム映画『モン族の少女パオの物語』が上映/2010年11月6日（土）～11月7日（日）

2010年11月6日（土）と11月7日（日）の両日、東京都庁都議会議事堂1F「都民ホール」にてアジア・シネマ・セレクションが開催されます。

アジア・シネマ・セレクションは、アジア各国の長編映画、短編映画及びアニメ作品からセレクトされた秀作・名作を一挙に18本、無料で上映する企画です。

これは、石原都知事の提唱による「アジア大都市ネットワーク２１」が、都民にアジアをより身近に感じるために行う「東京・アジア月間」の一環として行われるイベントです。

今回、広範囲にカバーされた映画の中で、ベトナム関連として目を引くのは、ベトナム最北部でたくましく生きる“モン族”の女性たちの姿を描いた『モン族の少女パオの物語』（ベトナム/2006年/97分/ゴー・クアン・ハーイ監督）です！

『モン族の少女パオの物語』は、ベトナム映画初のインディペンデント映画と言える作品です。

ベトナムでは、通常、国営の映画会社によって映画が制作されますが、本作品は、政府からの資金と民間のスポンサーを得て制作されています。

国営の企業や映画会社に属さない監督が、政府の資金を得て映画を作ったのは『モン族の少女パオの物語』が初てのこと。

さて、『モン族の少女パオの物語』は、ベトナムの最北部、中国との国境地域に暮らす少数民族モン族の実在する女性の体験を元に、少女パオと二人の母親を軸に描いた映画です。

家父長性が根強く残る一族の中で、生みの母と育ての母、その娘の姿をたくましく描き切っています。

撮影はオーストラリア映画界で活躍するコーデリア・ベレスフォード。実際にモン族の人々が暮らす地域で撮影が行われ、モン族の美しい民族衣装と山岳部の勇壮な自然、そしてサパやバクハの活気ある市場など、強く印象に残る風景が広がります。

『モン族の少女パオの物語』で監督デビューを果たしたゴー・クァン・ハーイは、トラン・アン・ユン監督『青いパパイヤの香り』（1993年）や『夏至』（2000年）などで俳優として活躍していた方です。

ちなみに、主役のパオを演じているベトナムの人気女優、ドー・ティ・ハーイ・イエンは、ハリウッド映画『愛の落日』（2002）にも抜擢された若手国際派女優で、私生活ではゴー・クァン・ハーイ監督の奥様でもあります。

聞けば、二人が出会うきっかけは、ドー・ティ・ハーイ・イエンも出演した『夏至』での共演だったそうです (^_^;

2006年に制作された『モン族の少女パオの物語』は、ベトナムのアカデミー賞と言われるゴールデン・カイト賞で、ハーイ・イエンが最優秀主演女優賞、育ての母キアを演じたベテラン女優グエン・ニュー・クインが最優秀助演女優賞を受賞、さらに、最優秀作品賞、最優秀撮影賞にも輝いています。

『モン族の少女パオの物語』の上映は、11月6日（土）の10:00からの回です！

ちなみに、2007年の夏には、東京にあるシアター・イメージフォーラムにて単館ロードショー公開もされています。
『モン族の少女パオの物語』公式サイト

その他、今年6月に開催された「ショートショートフィルムフェスティバル＆アジア」で、アジアインターナショナル部門優秀賞/東京都知事賞を受賞した「ボンサイ/Bonsai」(フィリピン／2009年／20分）。

あるいは、今年5月の「カンヌ国際映画祭」でパルム・ドールを受賞したタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督のドキュメンタリー映画「真昼の不思議な物体」（タイ/2000年/83分）。

さらに、売れないロックバンドの珍道中を軸に日本と韓国の国境を越える驚き、笑い、切なさを描いた新感覚のロードムービー「タクシー　ディレクターズ・カット版」（韓国･日本/2009年/76分/キム・テシク監）などなど、魅力的な作品が並びます。

躍進するアジア映画を無料で鑑賞するチャンスです！